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特集 腰痛診療の深化―“標準” と “こだわり” を知り診療に生かす
腰部脊柱管狭窄(症)と腰痛
Lumbar spinal stenosis and low back pain
渡邉 和之
1
Kazuyuki WATANABE
1
1福島県立医科大学,整形外科学講座
キーワード:
Lumbar spinal stenosis
,
Degenerative lumbar spondylolisthesis
,
Radicular low back pain
Keyword:
Lumbar spinal stenosis
,
Degenerative lumbar spondylolisthesis
,
Radicular low back pain
pp.877-882
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002635
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要旨:腰痛は腰部脊柱管狭窄において頻度の高い症状の一つである。その特徴としては,後屈で誘発され下肢痛と関連する割合が多い点が挙げられる。また神経根ブロックで軽減する神経根性腰痛の頻度が高い。一方,腰痛の頻度や程度と単純X線上の変性すべり,変性側弯やMRIでみた狭窄の程度といった画像所見との関連は少ない。また手術成績をみると,すべりの有無にかかわらず除圧術のみで下肢症状だけでなく腰痛も軽減し,大部分の症例では除圧術で十分に治療が可能である。このことから腰部脊柱管狭窄症例の腰痛は狭窄自体に起因する割合が多いと考えられる。われわれの検討では腰部脊柱管狭窄に対する除圧術後の腰痛遺残の危険因子として,術前の変性側弯の存在と精神医学的問題の関与が挙げられた。
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