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特集 脊椎脊髄疾患に対する分類・評価法
第3章 腰椎
腰部脊柱管狭窄症の診断サポートツール
Diagnostic Support Tool for Lumbar Spinal Stenosis
渡邉 和之
1
,
紺野 愼一
1
Kazuyuki WATANABE
1
,
Shin-ichi KONNO
1
1福島県立医科大学医学部整形外科学講座
1Department of Orthopaedic Surgery, Fukushima Medical University School of Medicine
キーワード:
腰部脊柱管狭窄症
,
lumbar spinal stenosis
,
診断サポートツール
,
diagnostic support tool
,
プライマリケア
,
primary care
Keyword:
腰部脊柱管狭窄症
,
lumbar spinal stenosis
,
診断サポートツール
,
diagnostic support tool
,
プライマリケア
,
primary care
pp.347-349
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201366
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はじめに
腰部脊柱管狭窄とは,腰椎部において脊柱管が先天性または発育性に狭小であったり,後天性に狭小化して,馬尾や神経根が圧迫され痛みやしびれといった下肢症状や会陰部症状などを呈する病態をいう.したがって,Arnoldi1)国際分類や蓮江の分類2)に示されているように,腰部脊柱管狭窄にはさまざまな原因となる疾患が含まれている.大多数の腰部脊柱管狭窄では,主として加齢に伴う退行性変化により,脊柱管を構成している椎間板や黄色靭帯,椎間関節といった神経周囲組織の変性,肥厚により,神経根や馬尾が慢性的な機械的圧迫を受けている.これを狭義の腰部脊柱管狭窄症とすることが多い.本邦における腰部脊柱管狭窄症診療ガイドラインでは,定義について完全な合意は得られておらず,複数の症候の組み合わせにより診断される症候群であるとするのが妥当であると記載されている8).実際の臨床の現場では,腰部脊柱管狭窄は,特徴的な自覚症状とそれを説明し得るMRIなどの画像上の狭窄所見が一致して初めて診断される.したがって,一般医にとって腰部脊柱管狭窄を的確に診断することは必ずしも容易ではない.そこで,プライマリケアの現場で使用できる腰部脊柱管狭窄診断サポートツールが作成された.診断サポートツールとは,病歴や診察所見など日常診療の場で簡便に入手できる情報を用いて,目的となる疾患を有している可能性が高い患者を選び出す補助となるツールである.本稿では,腰部脊柱管狭窄の診断の補助となるサポートツールを紹介する.
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