後縦靱帯骨化症と骨代謝の関連

Association between ossification of the posterior longitudinal ligament and general mineral status

要旨：後縦靱帯骨化症（OPLL）はその発症に遺伝要因や環境要因などの多因子が関連するといわれ，全身の骨代謝との関連も示唆されている。OPLL患者では骨密度が高くなるという報告が多い一方で，骨粗鬆症との関連を示唆する報告もある。有限要素法を用いた骨強度の解析では，症候性OPLL患者は有意に骨強度が高く，特にOPLL女性患者で顕著だった。また線維芽細胞増殖因子23（FGF23）関連低リン血症性くる病・骨軟化症や副甲状腺機能低下症など骨代謝異常関連疾患でOPLLが合併することも知られている。OPLL患者における骨粗鬆症治療は一定の見解は得られていないが，上記の骨硬化傾向や骨代謝異常疾患に合併するOPLLの可能性に留意して行っていく必要がある。