Japanese
English
特集 末梢神経―Current Concept in 2022
Ⅲ.手術方法
神経移植術
Nerve grafting
山本 美知郎
1
Michiro YAMAMOTO
1
1名古屋大学,手の外科
キーワード:
Nerve graft
,
Doner
,
Indication
Keyword:
Nerve graft
,
Doner
,
Indication
pp.557-561
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002123
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:末梢神経の急性損傷では神経縫合術の適応がある。損傷神経に欠損を伴う場合,または挫滅などで一部新鮮化を要す場合には神経移植,または最近では人工神経を用いた神経再生誘導術が必要となる。欠損長が30mm以内であれば自家神経と人工神経のどちらも適応があるが,30mmを超えた欠損部位が生じている場合は自家神経移植が選択される。自家神経は神経再生に必要な足場,細胞,そして種々のサイトカインを含み,損傷遠位の神経がWaller変性するのと同様に移植神経も似た状態を呈し,リモデリングしている。この過程がマクロファージのinvasionやSchwann細胞の分化,移植神経内の軸索や髄鞘の変性から再生へと働くため,条件が同じ場合は人工神経移植よりも成績が良い。ただし一時的に血行が途絶した状態により,一部の細胞が生存しないため,端端縫合した場合よりは治療成績が一般には劣る。ドナーサイトの問題や,どれだけの長さまで適応があるかなど不明な点や限界もある。どの神経が損傷したかによっても治療成績が異なっている。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.