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特集 末梢神経―Current Concept in 2022
Ⅳ.腕神経叢損傷
神経移植術・神経移行術
Nerve graft・nerve transfer
西浦 康正
1
Yasumasa NISHIURA
1
1筑波大学附属病院,土浦市地域臨床教育センター
キーワード:
Brachial plexus injury
,
Nerve graft
,
Nerve transfer
Keyword:
Brachial plexus injury
,
Nerve graft
,
Nerve transfer
pp.571-579
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002125
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要旨:自然回復しない腕神経叢損傷では手術が必要となる。原因が牽引損傷であることが多く,神経損傷を神経縫合術で修復することは困難で,神経移植術か神経移行術が適応となる。病態は複雑・多彩であり,症例ごとに異なる。引き抜き損傷であるか,節後損傷であるか以外に損傷の範囲,損傷高位などによるバリエーションがある。損傷が広範囲となり修復が必要な神経が多くなるほど,麻痺している筋すべてを元どおりに回復させることは困難である。手術法の発達,治療成績の累積により,現在では病態ごとに手術で再建できる機能がかなり明らかとなっている。現実的には,これらを踏まえた上で回復させたい機能(筋)を選択して治療を行うこととなる。脱神経した筋は変性が進むと回復不良となる。神経再生には時間がかかるため,神経の手術を行う場合は早期に行う必要がある。病態に応じ適宜,神経移行術,神経移植術の術式の選択あるいはこれらを組み合わせた手術計画が重要である。
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