整形外科/知ってるつもり
FOP(進行性骨化性線維異形成症)とBMP
片桐 岳信
1
1埼玉医科大学ゲノム医学研究センター病態生理部門
pp.1098-1101
発行日 2008年11月25日
Published Date 2008/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101399
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■進行性骨化性線維異形成症(fibrodysplasia ossificans progressiva;FOP)
進行性骨化性線維異形成症(FOP)は,成長に伴う全身の骨格筋や靱帯,腱における異所性骨化を特徴とする疾患で,以前は進行性化骨筋炎(myositis ossificans progressiva;MOP)とも呼ばれた5,6).病態の進行に伴い多くの関節が癒合するために可動域が極度に小さくなり,自立的な運動が極めて困難となる.異所性骨化は顔面にも及び,開口障害や嚥下障害を伴う症例も認められる.その一方で,心臓や横隔膜,舌などの筋組織には異所性骨形成を認めない.
FOPは,常染色体優性遺伝の形式を示す遺伝性疾患である5,6).世界的に約200万人に1人の発症率と考えられており,わが国では約60名のFOP患者が存在すると推定されている.わが国の23例を含むほとんどの症例は孤発例であるが,世界的には7例の家族性FOPが見出されている.全症例とも父親から子供に遺伝したケースである5,6).
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