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特集 整形外科領域の希少疾患診療
強直性脊椎炎
Ankylosing spondylitis
冨田 哲也
1
Tetsuya TOMITA
1
1大阪大学,運動器バイオマテリアル学(整形外科)
キーワード:
Ankylosing spondylitis
,
Axial spondyloarthritis
,
Non-radiographic axial spondyloarthritis
Keyword:
Ankylosing spondylitis
,
Axial spondyloarthritis
,
Non-radiographic axial spondyloarthritis
pp.1079-1089
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001838
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要旨:強直性疾患は体軸性脊椎関節炎の代表的疾患であり,2015年国の難病に指定された。HLA B-27との強い関連が示されており,HLA B-27保有者の極端に少ないわが国では患者数も3,000人程度と推定され,諸外国に比べ極端に少ない。潜在性の炎症背部痛が初発症状であることが多いが,臨床症状は多彩である。関節外症状としてぶどう膜炎や腸炎症には注意が必要である。検査上特異的なバイオマーカーがなく,発症早期には診断が難しい。近年仙腸関節X線基準を満たさないが,MRIで仙腸関節に炎症像が認められるステージをnon-radiographic axial SpA(X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎)として,症状が強い場合は強直性脊椎炎に準じて治療を考慮する。薬物治療が中心となり,NSAIDsで効果不十分であれば,生物学的製剤が考慮される。末梢関節破壊が進行すれば人工関節置換術が適応になる。
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