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特集 運動器のバイオメカニクス―Cutting Edge 2021:新しい解析手法と知見
Ⅲ.関節のバイオメカニクス
人工膝関節設計のための有限要素モデルと筋骨格モデル
Finite element and muscle skeleton model for design of knee implant
杉田 直彦
1
,
舒 利明
1
Naohiko SUGITA
1
1東京大学大学院,工学系研究科
キーワード:
Muscle skeleton model
,
Finite element model
,
Knee
Keyword:
Muscle skeleton model
,
Finite element model
,
Knee
pp.617-624
発行日 2021年4月30日
Published Date 2021/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001718
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要旨:有限要素(FE)モデルと筋骨格(MS)モデルを統合することで,人工膝関節置換術前後の歩行動作と関節面の応力などを同時に推測することが可能となる。患者の下肢モデルを構築すれば,人工膝関節の設計や計画にも展開可能である。このFE-MSモデルは,骨格モデル,膝関節モデル,人工関節モデルを含み,それらの相互作用を解析する。歩行サイクル中の膝荷重を筋電結果と比較することで精度評価を行い,二乗平均平方根誤差(RMSE)と相関係数(r2)で予測精度を定量化する。その結果,従来の筋骨格モデルに対して,FE-MSモデルは高い予測精度を示した。また,接触面積,圧力,応力などを解析した結果,脛骨インサートの内側で最大接触圧力を示したが,超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の降伏強度以下であった。このFE-MSモデルを用いれば,人工関節コンポーネントの摩耗なども予測可能となる。このように,FE-MSモデルは,人工膝関節置換術における患者個別の治療や人工関節設計へ展開するための方法を提供することが期待されている。
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