発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010080246
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片側変形膝関節症(OA)患者に対する軟性装具処方において、バランス機能の改善を図る目的で両膝に装着させることを考え、患者27例(男7例・女20例・平均65.3歳)を対象として検討を行った。対象の患側膝のKellgren-Lawrence分類はgrade IIが13例、grade IIIが12例、grade IVが2例であった。膝軟性装具としてネオプレーンゴム製のベルト状サポーターを用い、非装着時、患側装着時、両側装着時で重心動揺測定を行った。その結果、非装着時を100%とした場合の外周面積の平均値は、患側装着時99.2%、両側装着時94.2%と減少し、両側装着時の方が抑制される傾向であったが有意差はなかった。単位軌跡長の平均値は、患側装着時99.5%、両側装着時87.9%で、両側装着時に有意に減少した。以上より、片側膝OA患者に対しても両膝に軟性装具を装着させた方が転倒予防等に効果的であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010