Japanese
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特集 超音波による骨折治療
偽関節に対する超音波治療
Low-intensity pulsed ultrasound treatment for fracture nonunion
新倉 隆宏
1
,
大江 啓介
2
,
福井 友章
2
,
黒田 良祐
1
Takahiro NIIKURA
1
,
Keisuke OE
2
1神戸大学大学院医学研究科外科系講座,整形外科学
2神戸大学医学部附属病院,整形外科
キーワード:
Low-intensity pulsed ultrasound
,
Fracture
,
Nonunion
Keyword:
Low-intensity pulsed ultrasound
,
Fracture
,
Nonunion
pp.61-69
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001592
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要旨:わが国において難治性骨折超音波治療法は遷延治癒・偽関節を対象に1998年保険適用となり,現在では四肢の長管骨に加え手足の骨も適応となっている。これまでの臨床研究で低出力超音波パルス(LIPUS)治療による骨癒合率は,遷延治癒74〜90%,偽関節33〜87%と報告されている。多くの研究で偽関節手術によって得られる骨癒合率と同等と評価されている。骨折後経過期間が短いほど骨癒合が得られやすく,最終手術から6カ月以内にLIPUS治療を開始すると骨癒合率が高いと報告されている。骨折部不安定性,8〜9mm以上の骨折部間隙,非肥厚性偽関節,髄内釘固定などはLIPUS治療が不成功に陥りやすい因子とされている。LIPUS治療が有効か否かを判定する時期は開始後4〜6カ月が適当と考えられる。LIPUS治療を有効活用するためには,患者コンプライアンスを高めるための努力,正確な照射部位・照射方法の指導に留意すべきである。
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