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特集 脊椎外傷の最近の進歩(上位頚椎を除く)(第24回日本脊椎外科学会より)
骨粗鬆症性椎体骨折による遅発性神経麻痺の病態の検討
Pathogenesis of Delayed Neurologic Deficit after Osteoportic Vertebral Fracture
和田 正一
1
,
武富 栄二
1
,
簗瀬 光宏
1
,
山下 達嘉
1
,
前原 東洋
2
,
酒匂 崇
1
Shoichi Wada
1
1鹿児島大学医学部整形外科学教室
2整形外科前原病院
1Department of Orthopaedic Surgery, Faculty of Medicine, Kagoshima University
キーワード:
osteoporosis
,
骨粗鬆症
,
delayed neurologic deficit
,
遅発性神経障害
,
vertebral fracture
,
椎体骨折
Keyword:
osteoporosis
,
骨粗鬆症
,
delayed neurologic deficit
,
遅発性神経障害
,
vertebral fracture
,
椎体骨折
pp.473-479
発行日 1996年4月25日
Published Date 1996/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901884
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抄録:骨粗鬆症による椎体骨折後の遅発性神経麻痺の病態を明らかにすることを目的として,本症の診断で治療した症例を画像所見,治療成績について検討した.対象は18例で治療法別には観血群11例(前方法3例,後方法8例),保存群7例であった.脊柱管内骨片占拠率は両群間で差はなく,損傷椎間可動性は両群で約9~12°であった.保存群や後方法では脊柱管内陥入骨片を直接には除去しないにもかかわらず,臨床症状の良好な改善が得られており,本症の病態に椎体不安定性の関与が大きい症例が存在することが示唆された.すなわち,本症発現には陥入骨片による圧迫である静的因子と椎体不安定性などの動的因子の双方が関与しており,その比重は様々であると考えられた.治療法はこれらの症態に加えて,高齢のために問題となる全身合併症や骨脆弱性などを症例ごとに十分に把握して選択することが重要である.
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