DISHを合併する椎体骨折の診断と治療

Diagnosis and treatment for spinal fracture with diffuse idiopathic skeletal hyperostosis

要旨：びまん性特発性骨増殖症を合併する椎体骨折は，診断の遅れや遅発性麻痺の発生などの通常の脊椎骨折と異なる特徴を有する。脊柱強直を伴った患者が背部痛，腰痛を主訴に受診した際には，診断が遅延しないように単純X線に加えてCTを撮影することが必要である。また，本外傷の多くは3-column損傷（AO spine thoracolumbar spine injury classification：type B2またはtype C）となり神経症状の悪化が懸念されるため，早期の固定術が推奨される。患者の多くは高齢者で術前合併症を有することから，より低侵襲な経皮的椎弓根スクリューを用いた脊椎固定術が望ましい。