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特集 骨粗鬆症リエゾンサービス
脆弱性骨折治療のケアギャップ
Care gap in the treatment of fragility fractures
澤口 毅
1
,
重本 顕史
1
Takeshi SAWAGUCHI
1
1富山市民病院,整形外科
キーワード:
Osteoporosis
,
Care gap
,
Fragility fracture
Keyword:
Osteoporosis
,
Care gap
,
Fragility fracture
pp.1599-1607
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001120
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要旨:超高齢社会を迎えたわが国では,脆弱性骨折はますます増加が見込まれる。特に大腿骨近位部骨折は大きな機能障害をもたらし,生命予後にも影響する重篤な骨折であり,患者本人のみならず,介護する家族,社会全体への負担も大きい。しかし現状は,非常に長い手術待機期間,低い骨粗鬆症治療率など大きなケアギャップがある。これに対しわれわれの施設では,多職種で連携して治療にあたることにより,① 安全・円滑な早期手術,② 既存疾患を含めた周術期の全身管理,③ 二次骨折予防を行うことが可能となった。その結果,手術待機期間は平均1.6日となり,各科との協働により周術期の管理がスムーズになった。また退院時の骨粗鬆症治療薬の投与率は90%近くとなった。また骨折リエゾンサービスにより,手術1年後の骨粗鬆症治療継続率は84%になった。多職種連携診療を充実させることにより,脆弱性骨折治療のケアギャップを埋めることは可能である。
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