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特集 骨折治療の現在地を知る!
Ⅱ.外傷治療のシステム
ヒップフラクチャーセンター
-―これまでの取り組みとこれから目指すもの―
The first hip fracture center in Japan;past efforts and future goals
脇 貴洋
1
Takahiro WAKI
1
1明石医療センター,整形外科
キーワード:
Hip fracture center
,
Orthogeriatric co-management
,
Fragility fracture
Keyword:
Hip fracture center
,
Orthogeriatric co-management
,
Fragility fracture
pp.461-468
発行日 2024年4月30日
Published Date 2024/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002957
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大腿骨近位部骨折は高齢者に多く発生するが,当骨折を起こす高齢者は様々な内科疾患を抱え,マルチモビディティであることが多い。したがって,骨折そのものは医学的な問題のうちの一つにすぎず,入院管理はしばしば整形外科医の守備範囲を超えていることがある。一方,欧米の先進施設からは内科と整形外科がともに大腿骨近位部骨折患者を入院管理するorthogeriatric co-management(OGCM)による良好な治療成績が報告されている。当院では2019年から総合内科と連携してヒップフラクチャーセンターを設立した。さらに,2020年には総合内科が主治医となり,整形外科と一緒に大腿骨近位部骨折患者の入院管理を行うOGCMを国内の他施設に先駆けて導入し,統一したテンプレートを用いることで周術期合併症を減らすことに成功している。合併疾患の多い症例や重症大動脈弁狭窄症のあるような大腿骨近位部骨折は,当院のような体制の整った施設が対応するべきであり,各医療圏で当院のような施設が今後整備されていくことが必要である。そして,その先には大腿骨近位部骨折のみならず,すべての高齢者の脆弱性骨折においても内科と連携した診療体制の構築が望まれる。
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