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特集 脆弱性骨盤輪骨折―診断・治療と予後
脆弱性骨盤輪骨折の機能予後
Functional outcome of fragility fractures of the pelvis
檜山 秀平
1
,
中島 寛大
1
,
安藤 治朗
1
,
松村 福広
2
Shuhei HIYAMA
1
,
Tomohiro MATSUMURA
2
1自治医科大学,整形外科学教室
2同上,救急医学教室
キーワード:
Functional outcome
,
Fragility fracture
,
Pelvis ring
Keyword:
Functional outcome
,
Fragility fracture
,
Pelvis ring
pp.749-753
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003001
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要旨:脆弱性骨盤輪骨折の治療方針を決定する際に,まずは保存療法について検討する。機能予後の観点からみると,Rommens分類Type Ⅰ~Ⅳまでの症例の多くで,まずは保存療法を行い,疼痛などにより機能改善が得られない場合に,手術療法を選択することで,受傷前の機能を維持できる可能性が高まると考えられている。手術療法は骨折型が重症である患者,診断が遅れて機能が低下した患者,保存療法に失敗した患者に推奨されるため,症例を注意深く観察し適切な患者にのみ手術を行う必要がある。現在,機能予後の観点からみた脆弱性骨盤輪骨折の治療戦略としては,Type Ⅰは保存療法,Type Ⅱは保存療法>手術療法,Type Ⅲ・Ⅳは保存療法<手術療法を選択することで機能予後を維持できる可能性が高いと考えられる。しかし,保存療法・手術療法の選択における機能予後は,骨折型や全身状態など不確定な要素が多いため,今後も症例を積み重ね経験・知識を共有していく必要がある。
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