発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005190842
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71歳女.明らかな外傷なく中足部痛が出現し,近医で捻挫と診断され消炎鎮痛薬の内服・外用を処方されたが,足部痛の改善はみられなかった.受診時,右足部外果周辺に腫脹を認め,立方骨に限局した圧痛を認めた.テクネチウム99mシンチグラムでは,立方骨に一致した部位に強い集積を認めた.MRI T1強調画像では立方骨に足底部に達する綿状低信号を認め,T2強調画像では立方骨の足底側に骨膜下に高信号を呈する帯状の領域を認めた.立方骨の不顕性骨折と診断し,短下肢ギプス固定と完全非荷重の免荷を行った.発症より5週間で立方骨に骨硬化像を認めた.受傷機転が軽微(保育園児の孫とのボール蹴り)であったことから基礎疾患の存在を疑い,検索を行った.その結果,骨粗鬆症の存在が明らかとなり,原発性骨粗鬆症を背景とする脆弱性骨折と診断した
©Nankodo Co., Ltd., 2005