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経験
大きな深指屈筋腱停止部裂離骨片を伴った末節骨底部骨折の検討
Analysis of distal phalanx base fracture associated with a large avulsed fragment retained by the flexor digitorum profundus tendon
森谷 浩治
1
Koji MORIYA
1
1一般財団法人 新潟手の外科研究所
キーワード:
Distal phalanx base fracture
,
Flexor digitorum profundus tendon
,
Leddy type Ⅲ
Keyword:
Distal phalanx base fracture
,
Flexor digitorum profundus tendon
,
Leddy type Ⅲ
pp.1309-1312
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001039
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要旨:深指屈筋腱停止部の裂離骨片が大きいLeddyⅢ型の末節骨底部骨折の治療成績を調査した。対象は3例で受傷指は環指2例,小指1例であり,いずれも右側の利き手側であった。掌側ジグザグ切開で骨折部を展開すると裂離骨片はA4腱鞘出口に引っかかり,それ以上の短縮転位は生じていなかった。全例,術後は後療法として固定法を施行した。経過観察期間は33〜52(平均45)週であった。再転位および軽度の爪変形を1例ずつ認め,Strickland評価は優,良,可がそれぞれ1例ずつであった。本外傷においても早期からの後療法開始は理想であるが,実際は骨片の固定性から固定法が選択される。固定法は深指屈筋腱が癒着するため忌避されるが,LeddyⅢ型では癒着範囲がA4腱鞘よりも遠位に限られ,本研究結果が示すように固定法であっても深指屈筋腱の癒着によるROM制限はそれほど問題にならないと考える。
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