Japanese
English
臨床経験
末節骨腱停止部の裂離骨折を伴った深指屈筋腱皮下断裂の2症例
Avulsion of the Insersion of the Flexor Digitorum Profundus Tendon Associated with Fracture of the Distal Phalanx : A Report of Two Cases
杉木 正
1
,
佐藤 和毅
1
,
山中 芳
1
,
中澤 秀夫
1
,
山下 裕
1
,
西本 政司
1
,
池田 崇
1
,
関 敦仁
2
Tadashi Sugiki
1
1静岡赤十字病院整形外科
2社会保険埼玉病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Shizuoka Red Cross Hospital
キーワード:
flexor tendon rupture
,
屈筋腱断裂
,
avulsion fracture
,
裂離骨折
,
distal phalanx
,
末節骨
Keyword:
flexor tendon rupture
,
屈筋腱断裂
,
avulsion fracture
,
裂離骨折
,
distal phalanx
,
末節骨
pp.1011-1015
発行日 2000年8月25日
Published Date 2000/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908397
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:稀な外傷である末節骨腱停止部の裂離骨折を伴った深指屈筋腱皮下断裂(Leddy分類Type Ⅲ)の2症例を経験したので報告する.2症例ともにDIP関節面を含んだ大きな裂離骨片を伴い,A4 pulleyに引っかかり停止していた.治療は引抜き鋼線法により腱実質を骨片とともに末節骨基部に固定するのが一般的であるが,骨片の大きさ,形状によって治療法が選択される.われわれは1例に3-0ナイロン糸を用いた引抜き縫合法を,他の1例にflexion blockを応用した鋼線刺入法により退縮した腱とともに転位した骨片を整復固定した.前者は骨片の固定力に不安があるものの,骨片が小さく脆弱でも腱実質を縫着でき,鋼線の抜去も不要であるという利点がある.後者は引抜き鋼線法に比べ骨折部に強固な圧着力を加えることが可能であり,手術手技も比較的容易である.DIP関節面に及ぶ比較的大きな裂離骨片が存在する場合に有用であると考える.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.