発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001157793
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長母指屈筋(FPL)腱と示指深指屈筋(FDP)腱のあいだに破格腱が存在した症例に外科的治療を行い,良好な結果を得た.症例は24歳女性で,右母指を屈曲すると示指遠位指節間(DIP)関節も同時に屈曲し,母指単独の屈曲は不可能であった.一方,示指から小指を屈曲させても母指の屈曲はみられなかった.単純X線像,MRIおよび神経・筋電図検査には異常を認めなかった.前腕より手関節掌側にわたって展開すると,FPL腱の尺側近位から示指FDP腱の手根管部にかけて斜走する細い破格腱を認めた.破格腱を挙上すると示指FDP腱が引っ張り上げられ,DIP関節は著明に屈曲した.破格腱の切除により母指屈曲時の示指の屈曲は消失し,術直後から母指・示指間の独立運動は可能となった
©Nankodo Co., Ltd., 2001