Japanese
English
臨床経験
小指深指屈筋腱皮下断裂の1例
Subcutaneous Rupture of Flexor Digitorum Profundus Tendon of the Small Finger : A Case Report
河本 旭哉
1
,
栗原 章
1
,
山崎 京子
1
,
井口 哲弘
1
,
藤原 朗
1
,
佐藤 啓三
1
Teruya Kawamoto
1
1神戸労災病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kobe Rosai Hospital
キーワード:
subcutaneous rupture
,
皮下断裂
,
flexor tendon
,
屈筋腱
,
small finger
,
小指
Keyword:
subcutaneous rupture
,
皮下断裂
,
flexor tendon
,
屈筋腱
,
small finger
,
小指
pp.93-96
発行日 2001年1月25日
Published Date 2001/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903191
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:今回われわれは稀な小指深指屈筋腱皮下断裂を経験したので,文献的考察を加えて報告する.症例は50歳の男性で冷凍魚を加工する作業に従事している.仕事中に右小指の屈曲ができないことに気づき受診した.右手掌尺側に腫脹,圧痛があり,右小指のDIP関節は屈曲不能,PIP関節は屈曲制限が認められた,術中所見では,屈筋腱腱鞘の著明な肥厚が認められ,小指深指屈筋腱は有鉤骨鉤付近で完全に断裂していた.腱の断端はささくれだっていたため腱縫合は不可能であり,また隣接腱の損傷も認めたため,腱移植術を行った.また,有鉤骨鉤の骨膜は剥離され,皮質骨面が一部露出しており,移植腱が再断裂する可能性を考えて有鉤骨鉤を切除した.術後8カ月の現在,経過良好で患者は現職に復帰している.本例では繰り返す小指の屈曲運動,有鉤骨鉤での腱の偏位,有鉤骨鉤への慢性的な外力により腱の摩耗と腱鞘炎が起こり,皮下断裂に至ったと考えられる.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.