Japanese
English
症例
骨折部の転位が軽度な高齢者上腕骨通顆骨折3例に対する保存治療
Non-surgical treatment for humeral transcondylar fractures(AO type A2-3)in the elderly;report of three cases
友利 裕二
1
,
南野 光彦
1
,
高井 信朗
1
Yuji TOMORI
1
1日本医科大学付属病院,整形外科
キーワード:
Humeral distal fractures
,
Transcondylar fracture
,
Non-surgical treatment
Keyword:
Humeral distal fractures
,
Transcondylar fracture
,
Non-surgical treatment
pp.921-926
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000944
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要旨:高齢者上腕骨通顆骨折に対して保存治療を行った3例の治療成績につき検討した。2012~2013年の2年間に保存治療を行った65歳以上の高齢者上腕骨通顆骨折は3例3肘(男2,女1)であった。初診時年齢は75~85歳,骨折型は3肘ともAO/OTA分類A2-3骨折であった。また,骨折部の転位は単純X線正面像で1.9~2.1mm,側面像で2.4~4.1mmであった。保存治療は長上肢ギプス固定を行い,単純X線像で仮骨形成を認めた時点で外固定を除去し,可動域訓練を開始した。経過観察期間は5~12カ月であった。合併症は認めず,骨癒合は6~7.5週で得られた。X線学的評価では軽度の内反・屈曲変形の増悪が認められたが,明らかな転位はみられなかった。最終診察時肘関節可動域は伸展−25°~30°,屈曲120°~140°であった。骨折部の転位がない,または転位が軽度な高齢者上腕骨通顆骨折は保存治療も選択肢の一つである。
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