Japanese
English
臨床
小児上腕骨顆上骨折に対する整復操作による治療成績の比較
-―closed vs open reduction―
Clinical results of supracondylar humeral fractures in children;comparison between closed and open reduction followed by percutaneous pinning
友利 裕二
1
,
南野 光彦
2
,
高井 信朗
2
Yuji TOMORI
1
,
Mitsuhiko NANNO
2
1日本医科大学武蔵小杉病院,整形外科
2日本医科大学付属病院,整形外科
キーワード:
Supracondylar humeral fracture
,
Closed reduction
,
Open reduction
Keyword:
Supracondylar humeral fracture
,
Closed reduction
,
Open reduction
pp.343-349
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000381
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要旨:小児上腕骨顆上骨折に対する整復操作の違いによって,治療成績に差がみられるかについて検討した。対象は2004~2013年の10年間に手術治療を行った33例で,非観血的整復例(CR群)21例(男13,女8),観血的整復例(OR群)12例(男6,女6)であった。初診時年齢はCR群,OR群ともに平均5歳で,骨折型はHolmberg分類でCR群は2型が8肘,3型が4肘,4型が9肘,OR群は2型が2肘,3型が2肘,4型が8肘であった。CR群は腹臥位で上肢用牽引台を用いて徒手整復後経皮鋼線固定を行い,OR群は仰臥位で肘関節前方の小皮切から骨折部を用手的に整復し経皮鋼線固定を行った。合併症はCR群で内反肘を1例に認め,最終診察時のX線学的評価でCR群はOR群と比較して受傷側BA,健側比でBAの増加角度,CAの損失角度が有意に大きかった。小児上腕骨顆上骨折Holmberg分類2型またはGartland分類2型骨折に関しては,非観血的整復によって整復位が得られない場合には,観血的整復も考慮する必要がある。また,Holmberg分類3,4型およびGartland分類3型骨折では整復阻害因子が整復不良の原因となっている可能性が高いため,観血的に整復阻害因子を除去し,用手的に解剖学的な整復を行った後,鋼線固定を行う必要がある。
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