高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う上肢の骨折 肘関節周囲 上腕骨通顆骨折に対するヘッドレスコンプレッションスクリューによる治療
亀山 真
1
1東京都済生会中央病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
内固定法
,
骨ねじ
,
上腕骨骨折
,
肘関節
,
骨代用物
,
治療成績
Keyword:
Bone Screws
,
Elbow Joint
,
Fracture Fixation, Internal
,
Humeral Fractures
,
Radiography
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Bone Substitutes
pp.38-42
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055142
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著者らは骨粗鬆症を基盤とする骨質の脆弱化が亢進した高齢者に発生傾向がある上腕骨通顆骨折に対し、2本のヘッドレスコンプレッション screwを用いて固定する方法を行なっている。そこで、手術手技、治療成績を報告した。対象は2002年11月以降に本法を施行した9症例(平均年齢73歳)で、受傷から手術までの期間は平均9日であった。1)経皮的整復を4例に行なったところ、1例でscrew刺入直前の整復が不十分で、2本のscrew先端が両方とも対側の骨皮質に達しておらず、骨折の矯正損失が生じた。この症例に対し、再手術時に直視下で骨折を整復し、screw孔に骨ペーストを充填した後にscrewを対側の骨皮質までかけて固定した。他の5例は最初から直視下に行なわれた。2)使用screwはAcutrak 4/5 Screw 1例、Acutrak Plus Screw 8例で、Screwの長さは全例65mm以下であった。3)術後平均観察期間は8ヵ月で全例で骨癒合が得られた。またJOAスコアは平均90点で、明らかな疼痛や神経障害を残した例はなかった。
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