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特集 宇宙医学から学ぶロコモ予防
宇宙医学研究による平衡機能科学に学ぶ転倒予防
How to prevent the fall using equilibrium research in space medicine
野村 泰之
1
,
戸井 輝夫
1
,
岸野 明洋
1
,
河野 航
1
Yasuyuki NOMURA
1
1日本大学医学部,耳鼻咽喉・頭頚部外科学分野
キーワード:
Equilibrium balance
,
Space medicine
,
Presbystasis
Keyword:
Equilibrium balance
,
Space medicine
,
Presbystasis
pp.743-748
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000902
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要旨:ヒトが微小重力環境に滞在すると様々な生体変化がもたらされるが,平衡バランス機能の変化も大きい。微小重力環境では内耳平衡器への重力入力がなくなるため,平衡バランスの統合に破綻をきたすとともに機能低下を生じることが知られている。やがてヒトはその機能低下状態に適応するが,その状況はあたかも加齢の促成栽培に相当する。そのような機能低下すなわち地上医学でいえば転倒リスクなどの危惧に対処するには,筋力の維持も肝要であるが同時に内側前庭脊髄路と外側前庭脊髄路の双方に負荷を与えて平衡バランス機能を維持・向上させる必要がある。加齢とともにあたかも癌のように病態が悪化していく加齢性平衡バランス障害に対しては,たゆみない負荷対策を講じ続けることが必要である。
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