海外だより
米国海軍航空宇宙医学研究所における平衡神経学研究の現況
長場 雅男
1
1新潟大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.67-69
発行日 1970年1月20日
Published Date 1970/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207412
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著者は1966年6月より1969年2月までFlorida州Pensacola市にある米国海軍航空宇宙医学研究所で研究する機会を与えられたので,同研究所における平衡神経学関係の研究の概略を紹介する(第1図)。
米国海軍航空宇宙医学研究所の前身は1926年に設立された海軍航空医学校で,1946年にDr. Ashton Graybielが海軍軍医大佐として赴任し,教育のみならず研究面にも力をそそいだことが研究所発足の基礎となつた。Dr. Graybielの関心は,はじめ航空医学における心臓機能に,ついで宇宙医学における平衡神経学にと焦点がしぼられた。その研究活動は航空宇宙医学のあらゆる分野にひろがり,ことにNASAの宇宙計画の拡大とともに航空宇宙医学校から航空宇宙医学研究所と名称も改められstaffも一段と充実して現在までに関係論文は1000を超えている。研究活動は基礎的なものが多いが,大きく,海軍航空士官の養成と訓練に関係したものと,将来の超高速度飛行や有人惑星間飛行という宇宙計画に関係したものに分けることができる。
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