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第1土曜特集 宇宙生命科学の進歩と医学応用への展望
総論
深宇宙での宇宙放射線リスク管理のための研究
Study for managing space radiation risk in deep space
髙橋 昭久
1
Akihisa TAKAHASHI
1
1群馬大学重粒子線医学推進機構重粒子線医学研究センター
キーワード:
宇宙放射線
,
重力環境変化
,
複合影響
,
リスク管理
Keyword:
宇宙放射線
,
重力環境変化
,
複合影響
,
リスク管理
pp.550-554
発行日 2021年11月6日
Published Date 2021/11/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27906550
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今,「アポロ計画」から半世紀以上の時を経て,人類をふたたび月へ送り込む「アルテミス計画」が動き出し,火星やその先の深宇宙へ向かう基盤づくりが着々と進んでいる.宇宙に飛び出すと,突発的に太陽の爆発的なエネルギー解放現象によって加速された高エネルギー陽子や,はるか遠くの超新星爆発によって加速された,さらに高エネルギーの重粒子線を含む宇宙放射線に曝されることになる.国際宇宙ステーション(ISS)が周回する地球低軌道では磁場によって宇宙放射線から守られているが,月や火星などの深宇宙ではその恩恵がない.宇宙飛行士の安全・安心のためにも,宇宙放射線による人体影響研究の重要性が増している.一方,宇宙は地上と異なる重力環境(宇宙空間は微小重力,月は1/6,火星は3/8の低重力)であるが,宇宙放射線との複合影響は十分に明らかにされていない.ここでは宇宙放射線リスク管理のため,宇宙放射線と重力変化の複合影響研究を中心とした筆者らの取り組みについて紹介する.
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