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特集 これで完璧! 手の変形性関節症―最新のエビデンスから紐解く―
5.心理・社会的因子
手の変形性関節症の心理社会的側面
Psychosocial aspect of hand osteoarthritis
建部 将広
1
,
平田 仁
2
Masahiro TATEBE
1
,
Hitoshi HIRATA
2
1名古屋大学大学院医学系研究科,四肢外傷学寄附講座
2同上,手の外科
キーワード:
Psychosocial aspect
,
Depression
,
Hand osteoarthritis
Keyword:
Psychosocial aspect
,
Depression
,
Hand osteoarthritis
pp.561-565
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000448
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要旨:手指の変形をはじめとする手の変形性関節症は高頻度に認められるものである。しかし,変形性関節症は従来大関節中心に研究がなされ,手の変形性関節症については治療法も含めて解決されていない問題点が多い。本疾患は外見的な変形も問題となり,対処法として患者の心理社会的な背景を十分に考慮する必要がある。しかし,整形外科診療としては疼痛などの症状や画像に重点が置かれ,患者の多くが医療関係者から無視されていると感じているとの指摘もある。手の変形性関節症に限らないが,心理社会的な側面を踏まえた評価方法の確立が必要であり,その点を踏まえた診療が望まれる。また,うつ傾向と腰痛・関節痛との関連が示唆され,変形性関節症に対しても抗うつ薬の使用が広がってきている。本疾患の疼痛に関しても同様にこれらの薬剤を用いた治療が行われるようになると考えられる。
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