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特集 これで完璧! 手の変形性関節症―最新のエビデンスから紐解く―
2.病態・疫学
内分泌異常と手の変形性関節症
-―糖尿病,性ホルモン,ビタミンD―
Endocrine disorders and hand osteoarthritis;diabetes, sex hormones, vitamin D
鴨居 史樹
1
,
内山 茂晴
1
,
加藤 博之
2
Fumiki KAMOI
1
,
Hiroyuki KATO
2
1岡谷市民病院,整形外科
2信州大学医学部,運動機能学教室
キーワード:
Hand osteoarthritis
,
Endocrine disorders
,
Metabolic disease
Keyword:
Hand osteoarthritis
,
Endocrine disorders
,
Metabolic disease
pp.505-509
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000440
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要旨:糖尿病では,終末糖化産物の蓄積が軟骨組織に影響を及ぼすことや,グルコースの細胞内蓄積による酸化ストレスが,軟骨細胞の細胞死を誘導することで変形性関節症(osteoarthritis;OA)を引き起こす可能性があると報告されている。しかし,臨床研究では,糖尿病と手の変形性関節症(hand osteoarthritis;HOA)の関連について一定の見解はない。性ホルモンとHOAに関しては,女性にHOAの発生率が高く,特に50歳以上の閉経時期に増加を認める。これは,エストロゲンが抗炎症作用と免疫抑制作用を有するため,HOA発症に関連していると考えられる。しかし,臨床研究では女性ホルモンとHOAとの関連性は示されていない。ビタミンDは軟骨下骨のリモデリングに関与しており,ビタミンD受容体がヒトの関節軟骨細胞で認められるため,OAと潜在的な関連を有すると報告されているが,臨床研究での関連は認められない。
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