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特集 これで完璧! 手の変形性関節症―最新のエビデンスから紐解く―
5.心理・社会的因子
高齢社会における手の筋骨格系障害
-―上肢のロコモティブシンドロームと手の変形性関節症―
Locomotive syndrome in upper extremity with hand osteoarthritis
藤原 祐樹
1
,
太田 英之
1
,
渡邉 健太郎
1
Yuki FUJIHARA
1
1名古屋掖済会病院,整形外科
キーワード:
Locomotive syndrome
,
General osteoarthritis
,
Hand osteoarthritis
Keyword:
Locomotive syndrome
,
General osteoarthritis
,
Hand osteoarthritis
pp.567-570
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000449
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要旨:ロコモティブシンドロームとは運動器の障害によって移動機能が低下した状態をいい,手の変形性関節症とは関連の少ない状態と考えがちである。しかし,全身の運動機能の著しい低下を呈する高齢者にとって,手は杖や歩行器,手すりなどの使用を通して,下肢や体幹の移動機能を補う重要な役目を持つ。手の変形性関節症は高齢者においては高率にみられ,膝や股関節など他の部位の変形性関節症と合併することも多い。一つひとつの変形性関節症自体は大きな問題とはならなくても,複数の障害が重なって発生することで,患者のADLは著しく低下する可能性がある。手で発生する変形性関節症も全身疾患の部分症状であると認識し,高齢者の生活レベルが落ちないよう一般的なロコモ対策を行っていくことは当然重要ではあるが,それに加え,それが必要であると判断されれば,患者に対し適切な治療の提案を行っていくことが肝要である。
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