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資料
精神病院に長期入院しているてんかん患者の実態調査
Survey of the Long-term-institutionalized Epileptic Patients
加藤 秀明
1
,
森 俊憲
1
,
曽根 啓一
1
,
足立 総一郎
1
,
森内 巌
1
,
吉村 剛
1
Hideaki Kato
1
,
Toshinori Mori
1
,
Keiichi Sone
1
,
Soichiro Adachi
1
,
Iwao Moriuchi
1
,
Tsuyoshi Yoshimura
1
1岐阜大学医学部神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Gifu Univ. School of Medicine
キーワード:
Institutionalized epileptic patient
,
Psychosocial aspect
,
Antiepileptic drug
,
Japan
Keyword:
Institutionalized epileptic patient
,
Psychosocial aspect
,
Antiepileptic drug
,
Japan
pp.1011-1015
発行日 1980年9月15日
Published Date 1980/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203153
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抄録 精神病院に長期入院中のてんかん患者の実態を明らかにするたあ,6つの私的精神病院において調査をした。1979年5月31日の時点で1年以上入院している患者は総入院患者1690名中57名(3.4%)いた。
この57名について,入院の直接の理由,保険の種類発作回数,知能障害,脳波所見,抗てんかん薬血中濃度,学歴,職業歴,婚姻状況,両親の有無,外泊状況などについて調査した。その結果,1)臨床発作やてんかん病態と直接関連する精神症状は入院を長びかせる要因とはなっていない,2)学歴,職業歴,婚姻状況は外来患者のそれの報告と比較するとかなり劣る,3)長期入院の患者側の要因としては知的障害が最も重要である,4)患者の背景にある生活環境もきわめて悪いことなどが判明した。
長期入院てんかん患者は狭義てんかんのもつ意味以外の理由で長期入院を余儀なくされている。精神病院はその守備範囲をこえた部分まで負担しており,広義てんかん医療の進歩が望まれる。
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