手の変形性関節症に対する臨床・X線診断

Clinical and radiographic diagnosis for hand osteoarthritis

要旨：Hand OA（osteoarthritis）の診断について，わが国では米国リウマチ学会（ACR）の診断基準（1990年）が長く用いられてきたが，European League Against Rheumatic Disease（EULAR）では，疼痛・腫脹・こわばりなどの症状に加え，リスク因子，好発部位，単純X線を併せた総合的な診断が推奨されている。単純X線像による診断では，関節裂隙狭小化，骨硬化，骨棘形成，びらんなどが特徴的な所見である一方，臨床症状とは必ずしも一致しない。病期分類は，Kellgren and Lawrence分類が最も有名であるが，骨棘形成に重点を置きすぎている点で批判的な意見もあり，OARSI（Osteoarthritis Research Society International）のアトラス，Kallmanの分類，Verbruggenの分類など新分類が提唱されている。