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特集 これで完璧! 手の変形性関節症―最新のエビデンスから紐解く―
4.鑑別疾患
乾癬性関節炎の病態生理と臨床像
Pathophysiology and clinical features of psoriatic arthritis
萩原 清文
1
,
三浦 俊樹
2
Kiyofumi HAGIWARA
1
,
Toshiki MIURA
2
1JR東京総合病院,リウマチ・膠原病科
2同上,整形外科
キーワード:
CASPAR(classification criteria for psoriatic arthritis)
,
Fibrocartilaginous enthesis
,
Synovio-entheseal complex
Keyword:
CASPAR(classification criteria for psoriatic arthritis)
,
Fibrocartilaginous enthesis
,
Synovio-entheseal complex
pp.553-559
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000447
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要旨:乾癬性関節炎(psoriatic arthritis;PsA)は乾癬に併発し,かつ関節リウマチとは異なる関節炎として1956年にWrightによって記載された疾患であり,1970年代に脊椎関節炎(spondyloarthritis;SpA)の一つとして位置づけられた。PsAは手指に病変が多いため,手指の診察の際に考慮すべき疾患の一つである。2006年に国際的な分類基準(ClASsification criteria for Psoriatic ARthritis;CASPAR)が作成されたが,綿密な診察と他の疾患を除外する過程を踏むことなく,CASPAR基準を単なるチェックボックスとして使用すると誤診を生じうる。診察においては乾癬の既往・家族歴・身体の隠れた部位における乾癬を確認すること,脊椎炎・腱付着部炎・指趾炎・仙腸関節炎を確認すること,そして指趾の爪病変を確認することが重要である。画像診断においては単純X線像上の指趾関節近傍の造骨性変化が重視されるが,発症早期では典型的所見は得られにくく,進行例では変形性関節炎やその他の疾患の所見が混在しうる。PsAを的確に診断するためには,リウマチ内科医,整形外科医,皮膚科医,放射線診断医との密なる連携が必須である。
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