Japanese
English
特集 高齢者の脊髄損傷
高齢者における軸椎歯突起骨折の診断と治療
Clinical diagnosis and treatment of odontoid fractures in the elderly
反町 泰紀
1
,
飯塚 伯
2
,
筑田 博隆
2
Yasunori SORIMACHI
1
,
Haku IIZUKA
2
1前橋赤十字病院,整形外科
2群馬大学大学院医学系研究科,整形外科
キーワード:
Odontoid fractures
,
Elderly
,
Atlantoaxial fusion
Keyword:
Odontoid fractures
,
Elderly
,
Atlantoaxial fusion
pp.277-284
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000367
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要旨:高齢者には軽微な外力で歯突起骨折が起こりうるため,胸椎後弯位の強い転倒例には訴えがなくても上位頚椎部の診察をすべきである。診断のためには単純X線開口位は必須であり,必要に応じて機能撮影を追加する。さらに,姿勢によるアライメント変化を考慮し,座位と立位の両方で側面像を評価するのが理想である。Anderson TypeⅠと転位が5mm未満のTypeⅢには保存療法が推奨される。われわれは従来ハローベスト固定をしていたが,合併症の多さから現在はソフトカラー固定としている。TypeⅡと転位が5mm以上のTypeⅢには手術が推奨され,死亡率と健康関連QOLの改善につながることがわかってきた。術式に関しては,環軸椎後方固定が第一選択となり,椎骨動脈の走行に応じて固定手技を使い分ける。近年の高齢者は活動性が高いため,偽関節を許容せずに骨癒合を目指すべきであり,骨粗鬆症の薬物治療も重要となる。
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