論究
上腕骨外側上顆炎に対するテニス肘バンドの治療効果に影響する因子の検討
森谷 浩治
1
,
牧 裕
1
,
坪川 直人
1
,
成澤 弘子
1
,
原 敬
1
,
吉津 孝衛
1
1(財)新潟手の外科研究所
キーワード:
Lateral epicondylitis
,
Tennis elbow band
,
Influencing factors
Keyword:
Lateral epicondylitis
,
Tennis elbow band
,
Influencing factors
pp.1509-1512
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000213
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上腕骨外側上顆炎に対するテニス肘バンド装着の治療効果に影響する因子を検討した。2014 年1 月から加療したテニス肘バンドの装着経験がない上腕骨外側上顆炎症例25 例29肘を対象とした。全例,上腕骨外側上顆の圧痛とThomsenテストの陽性を認めた。治療はテニス肘バンド装着と外用薬の貼付のみとし,経過観察期間は平均7 カ月であった。疼痛軽減効果がみられた有効群は16 例18 肘であり,除痛が得られずにトリアムシノロンの局所注射や手術治療を追加した無効群は9 例11 肘であった。疼痛軽減効果の発現時期は平均1.7 カ月であった。単変量および多変量解析で無効群は有効群より若年で,テニス肘バンドの装着状態が不良であった。青壮年者では仕事上,テニス肘バンドの疼痛軽減効果を待てずに手術や局所注射を希望する症例が多く,このことがテニス肘バンド装着の治療効果にとって若年齢が負の因子になった要因と考える。
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