論究
秋田県における発育性股関節形成不全(脱臼)の発生状況と危険因子に関する検討
藤井 昌
1
,
坂本 仁
2
,
三澤 晶子
2
,
石原 芳人
2
,
遠藤 博之
2
,
島田 洋一
1
1秋田大学大学院,整形外科学講座,Akita Hip Research Group(AHRG)
2秋田県立医療療育センター,整形外科
キーワード:
Developmental dysplasia of the hip(DDH)
,
Risk factors, Medical checkup
Keyword:
Developmental dysplasia of the hip(DDH)
,
Risk factors, Medical checkup
pp.1513-1517
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000214
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近年,一般整形外科医が発育性股関節脱臼(developmental dysplasia of the hip;DDH)に遭遇する機会は減少したが,見逃し例や診断遷延例を防ぐための予防・診察法を知ることは重要である。今回,秋田県における乳児股関節健診の推奨項目を含めた発症危険因子を調査し,特に重要な診察のポイントについて検討した。対象は2009 年から2013 年にDDH の治療を行った27 例である。調査項目は,開排制限,鼠径皮膚溝の非対称などの5 つの推奨項目に加え,性別,出生月,地域集積性,斜位姿勢の有無などとした。結果,開排制限は全例でみられ,患側で有意に低かった(p<0.01)。性別は全例女児で,その他の項目の陽性率は,鼠径皮膚溝の非対称が64%,冬期間出生,秋田県県南出身者が56%であった。多因子遺伝を示すDDH において,正しい手技で開排制限を検出することに加え,発症危険因子を把握し,早期発見・早期治療につなげることが重要である。
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