Japanese
English
特集 上腕骨外側上顆炎の病態と治療
上腕骨外側上顆炎に対する小皮切直視下手術
-―新しい病態概念に基づいた手術法―
Minimally invasive open surgery for recalcitrant lateral epicondylitis of the elbow;the surgical technique based on the new etiologic concept
副島 修
1
Osamu SOEJIMA
1
1福岡山王病院,整形外科
キーワード:
Lateral epicondylitis
,
Open surgery
,
Etiology
Keyword:
Lateral epicondylitis
,
Open surgery
,
Etiology
pp.1795-1802
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001552
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:難治性上腕骨外側上顆炎に対する多くの手術を行う過程において,短橈側手根伸筋腱起始部の変性部切除に加えて術中の前腕回内外時に橈骨頭にかかる緊張が十分除去されるまで,変性部と連続する硬く硬化した外側関節包および輪状靱帯の一部を切除することが臨床症状の改善と関連する極めて重要な処置であることを,筆者は経験的に実感してきた。そこで,局所解剖の検討に加えて超音波・MRI・病理所見と臨床成績の詳細な検討を行った結果,難治性上腕骨外側上顆炎の病態は肘外側インピンジメントであり,その手術法は橈骨頭周囲除圧術として捉えられることを提唱した。本手術法は,局所解剖を熟知していれば2~3cmの小皮切で病巣切除と除圧操作が十分可能であり,短時間の小侵襲処置で行える点が大きな利点である。著しく高負荷の上肢作業に従事する1例で再手術を経験したものの,シンプルな術式で重篤な術後合併症を認めず安心して広く推奨できる標準的な術式であると考えている。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.