特集 Complex elbow instabilityの治療の現状
Posteromedial rotatory injuryの治療
南野 光彦
1
,
小寺 訓江
1
,
友利 裕二
1
1日本医科大学,整形外科学教室
キーワード:
Posteromedial rotatory injury
,
Coronoid fracture
,
Treatment
Keyword:
Posteromedial rotatory injury
,
Coronoid fracture
,
Treatment
pp.1107-1112
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000113
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鉤状突起は,肘関節内側側副靱帯帯(前斜走靱帯帯)が付着し,肘関節の安定性に重要な役割を果たす。この靱帯帯が付着する鉤状突起骨折をOʼDriscollはanteromedial(AM)骨折と分類し,発症機序がvarus posteromedial rotatory injury(PMRI)によるものであると報告した。AM骨折の診断には肘関節CT が有用である。手術適応は,転位のあるAM骨折で,転位が残存すると肘関節不安定性が生じるため,骨片の大小にかかわらず,内固定を要する。骨片の固定方法は,内側アプローチで,骨片が大きい場合はスクリューによる固定でよいが,骨片が小さく粉砕している場合,あるいは骨片が複数の場合は,骨片に付着する関節包ごとコロノイドプレートで母床に,面で上から内固定を行うとよい。さらに,関節包とともに上方転位した小骨片に対しては,関節包にかけた縫合糸をlasso 法でpull out を行うことやプレートに糸をかけて縫着することも可能である。
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