論述
Whiplash injuryの処置
中村 隆一
1
,
河端 正也
1
,
御巫 清允
1
1虎の門病院整形外科
pp.245-250
発行日 1967年3月25日
Published Date 1967/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904202
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
最近,交通・労働災害や,スポーツ外傷によつて,頸部外傷の症例が急激に増加している.1928年,H. E. Croweは自動車事故の後,全く理学的所見を伴わぬにもかかわらず,治療に抵抗する頸部外傷の8例を,San Franciscoの学会で報告し,"Whiplash injury of the neck"と呼んだが,それ以来,この言葉はしばしば法廷にも持ち出され,medical-legalな多くの問題を提起して今日に至つている.1958年には,Crowe自身も,この言葉を提唱したことを後悔したと述べている.その報告のなかで,彼がWhiplash injuryを定義して,「頸部の捻挫で全ての訴訟が解決するまでは,完全には治癒し得ぬもの」,としているのは意味深いものである(Proceedings of the Section of Insurance, Negligence and Compensation Law, American Bar Association, 1958, pp. 176-184).
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.