Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
2024年12月,アルツハイマー病に対する初めての疾患修飾薬である抗アミロイドβ抗体薬が我が国でも保険収載をされたことに伴い,アミロイドPET検査も保険収載をされた。現時点の保険診療においては,臨床評価から認知症の背景病態がアルツハイマー病であると疑われる患者で,アミロイドβ抗体薬による疾患修飾療法を検討している場合に原則1回のみ,アミロイドPETの撮像を行うことが認められている1)。一方,アミロイドPETを認知症検診に利用することの是非に関しては,日本核医学会,日本神経学会,日本神経治療学会,日本精神神経学会,日本認知症学会,日本老年医学会,日本老年精神医学会(50音順)が合同で設置した「アミロイドPETイメージング剤の適正使用ガイドライン」ワーキンググループがとりまとめたガイドライン(「アミロイドPETイメージング剤の適正使用ガイドライン(第3版)」2),以下「適正使用ガイドライン」)において,「アルツハイマー病による認知症の発症予測に関するアミロイドPETの有用性は確立していないので,無症候者に対する健康診断(検診)としてアミロイドPET検査を実施することは不適切である」とされている。しかし実際には,当局の承認を得ているアミロイドPET製剤が複数存在し,研究利用として臨床診断に寄与している状況も多くみられるのみならず,検診においてアミロイドPETを利用している施設も存在している。アミロイドPETが限定的な適応とはいえ保険収載をされ,デリバリーによる供給体制も拡充していく中で,今後新たにアミロイドPETを認知症検診へ利用することを検討する施設が登場する可能性も予見される。
The use of amyloid PET for medical examination in cognitively healthy subjects is not currently recommended;however, the clinical implementation of disease-modifying drugs and amyloid PET has increased interest in amyloid PET to enable intervention at preclinical stage. In the future, if the effectiveness of precision medicine can be demonstrated, and furthermore, if patients at high risk for Alzheimer’s disease can be identified at an individual level, amyloid PET screening will be of great significance. By then, we need to mature discussions on how to communicate appropriate information and psychological and social support systems for test result disclosure.
Copyright © 2024, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.