特集 消化器外科における周術期栄養療法
Ⅱ.各論 6)胆道外科(胆道癌手術)における周術期栄養療法
山田 美保子
1
,
横山 幸浩
1
,
水野 隆史
1
,
尾上 俊介
1
,
川勝 章司
1
,
江畑 智希
1
1名古屋大学医学系研究科消化器・腫瘍外科
キーワード:
肝門部領域胆管癌
,
プレハビリテーション
,
栄養療法
Keyword:
肝門部領域胆管癌
,
プレハビリテーション
,
栄養療法
pp.809-815
発行日 2025年4月15日
Published Date 2025/4/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004420
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胆道癌に対する標準治療は,根治的切除術,術後補助化学療法1)である。根治的切除術は,腫瘍の主座で異なり,肝門部領域胆管癌は肝葉切除を伴う胆外胆管切除を,中下部胆管癌では膵頭十二指腸切除術を,肝内胆管癌に対しては肝切除術を要する。さらには,脈管合併切除や肝葉切除に膵頭十二指腸切除の併施が必要となることもある。胆道癌の背景肝は原則正常肝であることが多いが大量肝切除を要する。また,術前に閉塞性黄疸を呈している症例や予定残肝の胆管拡張を認める症例は,術前胆道ドレナージを行うため,経過中に胆管炎を併発することがあり,術後合併症や周術期の栄養障害にも関与する2)。そのため胆道癌の手術を受ける患者は,術前に筋力や運動能力面,栄養面,精神面を評価され,耐術可能な状態に整える必要がある3)。また,近年は高齢者や化学療法後の切除症例もみられ,その重要性が広く認識されている。

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