特集 消化器・一般外科における手術教育の進化と手術手技の継承
Ⅱ 消化器・一般外科における手術手技の継承 4 胆道 2 名古屋大学における肝門部領域胆管癌手術の継承
尾上 俊介
1
,
水野 隆史
1
,
渡辺 伸元
1
,
山田 美保子
1
,
川勝 章司
1
,
江畑 智希
1
1名古屋大学医学部附属病院消化器・腫瘍外科
キーワード:
肝門部領域胆管癌
,
手術
,
継承
Keyword:
肝門部領域胆管癌
,
手術
,
継承
pp.593-597
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004368
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肝胆膵外科医にとって,肝門部領域胆管癌手術は最も挑戦的な手術である。切除は根治の可能性のある唯一の選択肢であるが,その手術死亡率は他の腹部外科手術のなかで最も高いことで知られている。肝胆膵領域の世界主要24施設を対象としたBenchmark研究によると,条件の良い症例に限定した調査にもかかわらず,90日手術死亡率は13%であった1)。これは,短期成績が他の肝胆膵手術と比較し,最も不良な手術であることが世界レベルで再確認された。わが国においては,90日死亡率が5~10%となる報告が一般的である2)。そのような最高リスクの手術に対して,当科(名古屋大学医学部附属病院消化器・腫瘍外科)では医局員が一丸となって治療に取り組んできた。手術死亡率は2000年以前では10%であったが3),最新の報告では1.8%まで低下し4),国外ではExpert Biliary Centerとして認知されるに至った。

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