特集 知っておきたい肝胆道疾患診療の最近の話題
各論:腫瘍性疾患
胆道癌
中岡 和徳
1
,
橋本 千樹
1
,
廣岡 芳樹
1
1藤田医科大学消化器内科
キーワード:
遠位胆管癌
,
肝門部領域胆管癌
,
術前胆道ドレナージ
,
化学療法
,
癌遺伝子パネル検査
Keyword:
遠位胆管癌
,
肝門部領域胆管癌
,
術前胆道ドレナージ
,
化学療法
,
癌遺伝子パネル検査
pp.131-138
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000026
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Headline
1 閉塞性黄疸を有する胆道癌に対する胆道ドレナージは,内視鏡的(経乳頭的)ドレナージ法(EBD),超音波内視鏡下ドレナージ術(EUS-BD),経皮的ドレナージ法(PTBD)がある.ドレナージ法を適切に選択することはその後の治療方針を決定するために非常に重要である.
2 胆道癌の化学療法において近年選択的線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)2融合遺伝子陽性の胆道癌に対してFGFR阻害薬であるペミガチニブや高頻度マイクロサテライト不安定性腫瘍に対するペムブロリズマブやneurotrophic receptor tyrosine kinase融合遺伝子陽性に対するエヌトレクチニブやラクトレクチニブなどが使用可能となり,良好な治療成績が報告されている.
3 疾患の遺伝子異常を標的とした治療を行うためには現時点では十分な組織量を採取することが重要である.そのため切除不能胆管癌においても内視鏡的ドレナージを行う際に十分に腫瘍組織を採取することに心がけるべきであり,必要に応じてEUS-FNAを施行して十分な腫瘍組織を採取することも考慮する.
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