特集 必携 消化器・一般外科医のための外科解剖アトラス
Ⅱ 肝胆膵 6 腹腔鏡下胆嚢摘出術における局所解剖と最新医工学技術
田代 良彦
1
,
青木 武士
1
,
篠原 由加里
1
,
平井 隆仁
1
,
柴田 英貴
1
,
藤森 聰
1
1昭和大学医学部外科学講座消化器一般外科学部門
キーワード:
腹腔鏡下胆嚢摘出術
,
ICG蛍光法
,
人工知能
Keyword:
腹腔鏡下胆嚢摘出術
,
ICG蛍光法
,
人工知能
pp.503-514
発行日 2024年3月31日
Published Date 2024/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003806
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腹腔鏡下胆嚢摘出術(laparoscopic cholecystectomy;LC)は現在,最も普及している術式であり,わが国では1990年に初めて行われた腹腔鏡手術である。現在,年間約3万5,000件が行われており,その対象疾患は,胆石症が約2万2,000件と最多で,急性胆嚢炎,胆嚢ポリープ,胆嚢腺筋症と続く1)。腹腔鏡手術は,技術革新に伴って高精細画像による術中解剖構造認識を行うことが可能になったが,いまだに毎年,胆道損傷100件以上,脈管損傷50件以上の周術期合併症が生じている1)。その原因の1つとして,胆道周囲は肝動脈・門脈といった重要な脈管が複雑に走行し,かつ多彩な解剖学的変異を伴うことが挙げられる。そのため,局所解剖を正確かつ詳細に把握するための術前画像検査に基づいた確実な手術操作を行うことが大切である。
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