手術手技
非乳頭部十二指腸腫瘍に対するD-LECSの腹腔鏡手術手技とアプローチ法の使い分け
林 洋光
1
,
甲斐田 剛圭
1
,
馬場 秀夫
1
1熊本大学消化器外科学
キーワード:
D-LECS
,
Retro-colic approach
,
Ante-colic approach
Keyword:
D-LECS
,
Retro-colic approach
,
Ante-colic approach
pp.1303-1310
発行日 2022年7月15日
Published Date 2022/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002892
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十二指腸非乳頭部腫瘍は,従来まれな疾患と考えられてきたが,近年,内視鏡機器の進歩や内視鏡医の意識向上により,上部消化管内視鏡スクリーニング検査中に発見される機会が増している。十二指腸非乳頭部腫瘍に対する治療現状に関する多施設アンケート(13施設,1,397例,1993~2016年7月)の結果,内視鏡治療(EMR,ESD,CSP+uwEMR,D-LECS)は穿孔率が7.0%(うち術中穿孔5.4%,遅発性穿孔1.6%)と高いことが明らかになり,手技別にみると内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection;ESD)で16.2%(うち術中穿孔12.1%,遅発性穿孔4.0%)と最も高い結果であった1)。後出血も内視鏡治療全体で3.6%と報告されている1)。一方,D-LECS(laparoscopic and endoscopic cooperative surgery for duodenal neoplasm)は症例数65例と少ないが,7.7%の術中穿孔を認めたにもかかわらず遅発性穿孔は0%であった1)。
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