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特集 内科と外科のコラボレーション手術の今
[十二指腸領域におけるコラボレーション手術]
表在性非乳頭部上皮性腫瘍に対するD-LECS
Laparoscopic and endoscopic cooperative surgery for duodenal neoplasm (D-LECS) for superficial non-ampullary duodenal epithelial tumor (SNADET)
加古 里子
1
,
高橋 亜紀子
1
,
竹花 卓夫
2
,
小山 恒男
1
Satoko Kako
1
,
Akiko Takahashi
1
,
Takuo Takehana
2
,
Tsuneo Oyama
1
1佐久医療センター内視鏡内科
2佐久医療センター消化器外科
キーワード:
D-LECS
,
十二指腸腫瘍
Keyword:
D-LECS
,
十二指腸腫瘍
pp.1592-1598
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001121
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はじめに
表在性非乳頭部上皮性腫瘍(superficial non-ampullary duodenal epithelial tumor:SNADET)に対する内視鏡治療の対象は,リンパ節転移リスクがきわめて低いと考えられる十二指腸粘膜内癌もしくは十二指腸腺腫である。小病変に対しては,cold snare polypectomy(CSP)やEMR,underwater EMR(UEMR)にて短時間かつ安全に一括切除および縫縮を行うことが可能であるが,20mm以上の病変の場合には,分割切除となる可能性が高く,正確な病理組織学的診断のために,ESDによる一括切除が望ましい1, 2)。さらに,十二指腸は膵液胆汁の存在により後出血,遅発穿孔のリスクが高く,切除後の縫縮がこれらの術後合併症の回避のためには重要である3)。本稿で述べるduodenal-laparoscopic and endoscopic cooperative surgery(D-LECS)は,2020年に腹腔鏡下十二指腸局所切除術(内視鏡処置を併施するもの)として保険収載された。D-LECSは,外科とのコラボレーションにより,特に解剖学的要素による内視鏡操作性の問題点を克服できることや,病変切除後に腹腔鏡操作を用いた筋層漿膜縫合を行うことにより,遅発穿孔や出血といった重篤な術後合併症を回避することが可能となる。本稿では,D-LECSの適応,手技の実際について述べる。
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