特集 炎症性腸疾患の治療戦略と手術
Ⅱ.潰瘍性大腸炎 4)潰瘍性大腸炎手術におけるストーマ造設術とストーマ関連合併症対応
荻野 崇之
1
,
森 良太
2
,
関戸 悠紀
2
,
水島 恒和
3
1大阪大学大学院医学系研究科消化器外科学/同 炎症性腸疾患治療学寄附講座
2大阪大学大学院医学系研究科消化器外科学
3大阪大学大学院医学系研究科炎症性腸疾患治療学寄附講座/大阪警察病院消化器外科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
ストーマ
,
stoma outlet obstruction
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
ストーマ
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pp.1037-1041
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002837
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わが国における潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;UC)患者数は約22万人と推定され,いまだ増加傾向にある。病因として遺伝的素因に加え,腸内細菌叢や環境因子などに対する免疫応答が複合的に絡み合った多因子疾患と考えられる。UCの発症年齢は20代にピークがあるが,高齢発症例は重症化しやすいことが問題となっている。近年の内科的治療の進歩には目覚しいものがあるが,やはり一定数の症例で手術が必要となる。UC症例は低栄養,貧血,ステロイドや免疫調節剤の使用など,術前に問題点のある症例が多く,重篤な術後合併症を避けるため分割手術を選択する場合がある。
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