特集 高齢者における消化器診療
高齢者における代表的消化器疾患とその治療
潰瘍性大腸炎
東山 正明
1
,
穂苅 量太
1
1防衛医科大学校消化器内科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
高齢発症
,
合併症
,
フレイル
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
高齢発症
,
合併症
,
フレイル
pp.839-842
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_839
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Summary
▪高齢潰瘍性大腸炎(UC)患者は,若年で発症して高齢化した高齢化UCと,高齢で発症した高齢発症UCに区別される.
▪高齢発症UCは非高齢発症患者に比べ,家族歴が少なく,腸管外合併率が低いことから,遺伝因子より環境因子の影響が強いと考えられる.
▪罹患期間の短い高齢発症UCは,高齢化UCに比べ入院率や手術率が高く,また発症年齢が高いほど重症化しやすい.
▪フレイルが高齢UC患者の予後に影響している可能性が高い.
▪高齢UC患者では,併存疾患と治療薬との相互作用,易感染性,発がんリスク,静脈血栓症などにいっそう留意する必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2021