特集 炎症性腸疾患の治療戦略と手術
Ⅱ.潰瘍性大腸炎 3)TaTMEの手技を用いた潰瘍性大腸炎手術の経肛門操作
松山 貴俊
1
,
絹笠 祐介
2
1埼玉医科大学総合医療センター消化管外科・一般外科
2東京医科歯科大学大学院消化管外科学分野
キーワード:
潰瘍性大腸癌
,
taTME
,
大腸全摘術
Keyword:
潰瘍性大腸癌
,
taTME
,
大腸全摘術
pp.1031-1035
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002836
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直腸癌に対して行われているtaTME(transanal total mesorectal excision)は,近年,潰瘍性大腸炎に対しても行われるようになってきている1)。われわれは2017年から潰瘍性大腸炎に対する大腸全摘術時に経肛門内視鏡を用いた操作を導入している。本手技では歯状線から直腸粘膜抜去を開始し,肛門管を越えるまで粘膜抜去を行ったのちに,直腸の内輪筋と外縦筋を切離しTMEの層に入る。本手技の利点は腹腔鏡チームと同時に操作を行うことが可能で,腹腔鏡下大腸全摘術のメリットである低侵襲,整容性や女性患者の妊孕性を保ちつつ,デメリットであった手術時間の延長を改善することを可能にするところである。
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