特集 内視鏡外科手術に必要な局所解剖─結腸・直腸
経肛門的直腸間膜全切除術(taTME)に必要な局所解剖
諏訪 雄亮
1
,
渡邉 純
1
,
武井 将伍
1
,
後藤 晃紀
1
,
國崎 主税
1
,
遠藤 格
2
1横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター
2横浜市立大学消化器・腫瘍外科学
キーワード:
taTME
,
骨盤神経
,
2 team
Keyword:
taTME
,
骨盤神経
,
2 team
pp.1879-1884
発行日 2020年12月15日
Published Date 2020/12/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001979
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直腸癌手術では機能温存のための自律神経温存とともに,腫瘍学的な治療の問題からCRM(circumferential resection margin)やDM(distal margin)の確保が必要である。経腹的腹腔鏡手術では鉗子の可動制限の問題から男性,狭骨盤,肥満症例,巨大腫瘍などが困難症例とされている。とくに下部直腸癌では骨盤の深部に腫瘍が存在するため,経腹的腹腔鏡では鉗子の支点,つまりポートから重要な手術部位が遠くなるので十分な視野展開や牽引が難しくなる。また,上述の困難症例では骨盤内やその手前で,骨格や腫瘍,脂肪による鉗子の物理的可動制限があることも手術を困難にする要因となる。
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