特集 消化器外科手術の論点2020 誌上ディベートと手術手技
肝胆膵外科 16 ss胆嚢癌に対する肝切除領域 胆嚢床切除の立場から
今井 俊一
1
,
板野 理
1
1国際医療福祉大学医学部消化器外科
キーワード:
胆嚢癌
,
胆嚢床切除
,
腹腔鏡手術
Keyword:
胆嚢癌
,
胆嚢床切除
,
腹腔鏡手術
pp.633-638
発行日 2020年3月31日
Published Date 2020/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001650
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胆嚢癌において治癒を期待できる唯一の治療法は根治的外科切除である。本疾患は胆嚢の解剖学的特徴を背景に,進行するにつれ容易に肝浸潤,肝十二指腸間膜浸潤,血管浸潤,リンパ節転移,肝転移などの多彩な進展様式を示す1)。壁深達度・胆嚢周囲進展度(T因子)が臨床像を左右する最も重要な因子であり,進達度によって悪性疾患としての臨床像や予後がまったく異なる。すなわち,pT1(壁進達度m~mp)の早期癌ではリンパ節転移の頻度も低率で予後が良好であるのに対して,pT2(ss)以深となるとリンパ節転移陽性率が急上昇し,pT3やpT4の高度進行癌の予後はきわめて不良である。このため外科的治療も壁進達度に応じた適切な術式選択を要する。
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